アルコール消毒液が世界的に不足している場合でも、アルコールなしでも除菌・殺菌消毒できる3つの方法をご紹介します。アルコールがなくても比較的簡単に除菌や殺菌消毒は可能ですので、ぜひ日々の生活に役立ててください。
無水アルコールや消毒用アルコール等が手に入るのであれば、こちらの手作りアルコール除菌スプレーの作り方を参考にしてくださいね。
1. 石けんや洗剤でウイルスを洗い流す
対象:手や顔、身体、食器、台所、タイル、風呂場、トイレ、服、おもちゃ等
これは基本中の基本ですが、一番簡単で安全、そして効果的な方法です。
ウイルスは、飛沫感染による直接的な感染の他に、感染者が触ったものを健常者が触った手で自分の口や目を触って感染が広がることが知られています。
石けんはウイルスのエンベロープという脂の膜を壊し、殺菌する働きがありますので、しっかり手指やつめの間まで入念に30秒以上石けんで洗うことで、除菌することが可能です。外出先から帰宅後すぐ、顔や室内のあちこちを触る前に、手だけでなくできればシャワーを浴びて体全体も洗うことが望ましいでしょう。
2. 煮沸熱湯消毒する
対象:耐熱容器や食器等
これは、感染者が使ったコップやお皿などの殺菌を行うのに一番効果的です。熱湯を使うので、対象は耐熱の物でなくてはなりません。
煮沸消毒の方法
- 消毒したい容器よりも大きな鍋を準備します。
- なべ底に布を敷き耐熱容器や食器が完全に浸るまで水を入れる。
- なべを常温から加熱する。
- 沸騰したら中火にして、5分ほどしっかり煮沸する。
- 容器をトングなどで取り出し、清潔な布の上で逆さにして自然乾燥する。
くれぐれも火傷をしないように気を付けてくださいね。
3. 塩素系漂白剤(ブリーチ)を使った除菌液を作って消毒
対象:床、タイル、風呂場、台所、トイレなど
塩素系漂白剤を低濃度に希釈したものは、ウイルスや細菌を殺すことができることが知られています。
洗濯や台所用品として販売されている塩素系漂白剤は一般にはブリーチや漂白剤と呼ばれているもので、よく知られているブランドとしては、ハイター、ブリーチ、ピューラックス、海外ではクロラックス、デトルなどがあります。
その主成分は次亜塩素酸ナトリウム(Sodium hypochlorite)。一般的に市販されている家庭用塩素系漂白剤の塩素濃度は、約5~6%です。これを0.05%の濃度に薄めて使用します。
塩素系漂白剤除菌液の作り方
準備するもの
- 空のプラスチックボトル(500mlサイズ)
- ゴム手袋
材料
- 水道水 495ml
- 塩素系漂白剤(濃度5~6%)5ml
作り方
- ゴム手袋をして、塩素系漂白剤を ペットボトルの蓋に注ぎ(約5ml)それをプラスチックのボトルに注ぐ。
- 水道水をボトルの上まで注ぐ。
- 蓋をしてゆっくり上下して混ぜる。
- ボトルにラベルと作った日付を入れる。
使い方
ゴム手袋をして、消毒液をぞうきんやモップ、ペーパータオル、使い捨て用の布などにしみ込ませ、表面を良く拭き自然乾燥させます。
塩素系漂白剤を使うときの注意事項
一般に塩素系漂白剤はこのようなことに注意をする必要があります。
必ず換気をする
塩素系漂白剤は、とてもアルカリ性の強い溶液です。プールの匂いのような強い塩素臭がしますので、使用の際は換気を行ってください。
目や手に触れないようにする
目や口に入ったら危険です。直接肌に触れると炎症を起こしかねません。作業をする時は、直接肌に触れないよう、家事用手袋をしてください。また、消毒液は、ペットや小さい子供の手の届かない場所に保管してください。万が一目や口に入った場合はすぐに水で洗い流し、近くの病院を受診されることをお勧めします。
汚れてもいい服装で作業する
服に消毒液が付いたらその部分だけ白く漂白してしまいます。 作業するときは、漂白剤が付いても良いような服を着るか、エプロンなどをつけることをお勧めします。
ドアノブなどの金属の消毒後は水拭きする
塩素系漂白剤は金属を腐食します。また、ペイントされた表面につくと変色や変質を起こすことがあります。ドアノブなどの金属に使用した場合やは、濡れた布などで、しっかりとふき取りましょう。詳しくは、使用した塩素系漂白剤の注意事項をよく読んで何に使えるかをご判断ください。
酸性タイプの洗剤に混ぜて使わない
塩素系漂白剤は酸性の洗剤や、お酢・クエン酸・食酢・アルコールなどと混ぜると有毒な塩素ガスが発生して大変危険です。水以外のものを絶対に混ぜないでください。
スプレーボトルは使わない
スプレー式ボトルでの噴霧は、スプレーした液が飛び散って肌についたりすることもありますし、噴射した液を吸い込んだり、ウイルスを吹き飛ばして拡散してしまう可能性があるためおすすめしません。
冷暗所に保管する
直射日光のあたる場所や高温での保管では殺菌力が低下することが知られています。保存するときは冷暗所に保管しましょう。
さいごに
コロナウイルスが収束するまで、まだしばらくはかかると思いますが、手洗いやマスクの励行、ソーシャルディスタンシング(他人と2メートル以上の距離を置く)といった方法で感染を防ぐことは可能です。
そして最も大切なのは、自分の心と体の健康を保ち、免疫力を下げないようにする工夫です。バランスの取れた食生活や運動、そして睡眠もとても大切です。ぜひ日々の暮らしの中で小さな喜びを見つけ、感謝の気持ちを忘れずに、この大変な時期をともに乗り越えていきましょう。