長いお休みの後には、学校へのルーチンが崩れてしまっていたり、学校の人間関係や勉強から感じていたストレスを思い出して不安になる子がいます。自分でもはっきり理由がわからず、『おなかが痛い』『頭が痛い』などと体調不良を訴えたり、学校へ行くのを嫌がったりする子もいるかもしれません。
今回はこのように休み明けの体調不良や登校しぶりが現れた時に気を付けるべき3つのポイントについてお伝えします。
休み明けに現れる子どものSOSのサイン
長い休み明けに現れる子どものSOSのサインには次のようなものがあります。
- 不安や気分の落ち込みを訴える
- イライラしたり不機嫌になる
- 泣くことが増える
- 無気力でやる気がない
- 甘えたり、親にまとわりつく
- 頭痛や腹痛を訴えたり、体調が悪くなる
- 学校に行き渋る
- 寝つきが悪い、夜中に目が覚める
- 食欲がない、もしくは過食をする
- 便秘になる、もしくは下痢が続く
このようなサインが現れた時は、その子が出したSOSのサインを責めることなく、子どもに寄り添って受け止めてあげることが大切です。子どもは心の問題が体に現れることも多いです。病気やケガではなくても、無理をさせず学校を休ませ、十分に休養をとったり病院を受診し体に異常がないかを確認してあげましょう。
無理やり学校に行かせない
まず、子どもが学校へ行くことに不安やストレスを感じているときは、無理に学校に行かせようとしないことが大切です。なぜかというと、子どもの気持ちを無視して学校に行かせても何の解決にもならないばかりか、子どもが抱えている問題をさらに助長してしまう恐れがあるからです。
特に、いじめられていたり、友達や先生とのトラブルがあったりすると、先生にも親にも伝えることができずに、不安やストレスが体調不良として現れる場合もあります。ですから、子どものSOSサインを見逃さず、上手に子どもをサポートすることが大切です。
一度学校を休ませると、そのまま不登校になってしまうのではないかと心配になるママは多いと思います。でも、学校を休むことで心と体が回復すれば、子どもも少しづつ前向きになれるものです。
気を付けるべき3つのポイント
学校を休んだことで、不安やストレスが無くなり子どもが元気を回復してきている間、どのように接したらいいのでしょうか?ここでは気を付けるべき3つのポイントを説明します。
①子どもの話を共感的に聞く
休んで体の不調が回復したら、様子を見て子どもの話を聞きましょう。長い休み明けは、新しい環境への不安を抱えていたり、勉強へのプレッシャーを感じることもあるでしょう。どんな話にも「そう感じるんだね。」と否定することなく共感的に子どもの話を受け止めてあげてください。うまく話せない場合は、『話したくなったら教えてね』と伝え、無理に問い詰めないようにしましょう
大抵は、不安や心配事を聞いてもらえるだけで、子どもは前に進む意欲を取り戻すものです。そうすると、友達との再会や新しい学習のチャンスを楽しみにする気持ちを育むことができます。学校の人間関係や勉強のことでつまづいているのであれば、担任の先生に相談してみるのも良いかもしれません。
②家庭での規則正しい生活を再確立する
長い休みの間は普段より寝る時間や起きる時間が遅くなったり、ゲームやテレビを見る時間が長くなるかもしれません。しかし体のリズムを学校の生活を合わせておくことが、子どもが学校生活に慣れていくためには不可欠です。
早寝早起きを心がけ、朝ごはんもしっかりとるなど、生活リズムに気をつけましょう。ゲームなどは時間を決めて生活にメリハリを持たせ、長期休暇中にゆるんだ生活パターンを改善することで、子どもたちは安心感を取り戻しやすくなります。朝の支度や就寝時間を徐々に調整し、無理なく学校生活に合わせられるようサポートしましょう。
③子どもの頑張りを褒めて認める
最後に、子どもの行動に注意を向け、子どもの頑張りを褒めたり、子どもが得意な事や強みを認めてあげましょう。親から自分の頑張りを認めてもらったり、褒められたりといった、小さな成功体験を積み重ねることで、子どもは学校へ行くことに前向きな意欲を持つようになります。
子どもにどんな声かけをしたらいいのかわからない場合は、子どもの自己肯定感が高まる50のフレーズ集を参考に声かけをするようにしてみてください。この小冊子には、日常で使える50の声かけの例が詰まっています。どれも子どもが「今の自分でいいんだ」「私は大切にされているんだ」と感じられるものばかりです。ぜひご家庭で、毎日聞かせてあげてくださいね。
親が子どもの体調不良や登校しぶりに不安を感じる場合
とはいっても、大抵の親にとって子どもが体調不良を訴えたり、登校しぶりをすることに不安になる方は多いかもしれません。「なんとか学校に行かせたい」とあの手この手で子どもを学校に行かせようとしてしまうこともあるでしょう。しかし、そのように学校に無理に学校に行かせようとしている時、どんな思いが頭の中をめぐっているのでしょうか?
「一度学校を休ませてしまって、これからもう学校に行けなくなったらどうしよう?」
「大した理由じゃないのに、学校を休むなんて怠けてる。わがままだ!」
「私が子どもの頃は、学校を休ませてなんてもらえなかった。この子は我慢が足りない!」
このような気持ちがあると、子どもの話を共感的に聞くのは難しいです。
子どもを休ませたくなかったり、問題の本質に触れたくない時、大抵の場合はその理由は親にあります。子どもを上手にサポートするには、親自身の不安や思い込みを解消することから始めたほうがうまくいくことが多いです。
こういう場合は同じような経験をした方や信頼できるママ友に相談してみるのもいいですし、相談する相手がいない場合はカウンセリングを受けることで不安やストレスがない状態で子どもを共感的にサポートできるようになります。
私の方でも子育てに悩むママのサポートを行っていますので、カウンセリングに興味がある方はこちらから無料相談にお申し込みください。
まとめ
新学期のスタートには様々な課題がありますが、長期の休み明けの不安や心配を克服するためには、子どもの心に寄り添い、ポジティブな声掛けで子どもをサポートすることが大切です。そのために気を付けるポイントはこの3つです。
- 子どもの話を共感的に聞く
- 家庭での規則正しい生活を再確立する
- 子どもを褒めて認める
子どものSOSのサインが現れた時、親がそれを無視せずうまく対応することがとても大切です。しかし親が自分の不安やストレスを対処できずに、子どもに無理させてしまうこともよくあるので、自分が不安に感じる時はまずは自分への精神的なケアを優先してあげましょう。