健全な家庭と不健全な家庭、そしてアダルトチルドレン

アダルトチルドレン

子育てと言うと、なんだか「子供にどんな声掛けをして、何をさせるか」といった子どもとの直接的なかかわりがクローズアップされがちですが、それよりももっと大切なのは、健全な家庭を作ることです。

家庭が不健全だと、家族関係にゆがみが生じて子どもの自己肯定感や自己価値といった、自己のコアの部分の成長に影響を及ぼします。逆に健全な家庭で育った子供は、自ずと自己肯定感が高くなり、逆境を乗り越える力もついていきます。

今回は、健全な家庭がどういったもので、それと対照的に不健全な家庭とはどういった感じなのか、不健全な家庭でそだった人がなりやすいアダルトチルドレンとは、どういったものなのかといったことをお話しします。

健全な家庭とは

健全な家族は、風通しの良い家族です。コミュニケーションを大切にして、問題があれば話し合い、感情を率直に表現することができます。楽しみや喜びを分かち合い、成長や変化を喜びます。家族としての一体感を感じつつも、人格や個々のプライバシーが尊重され、各々が自分のことを大事にすることができます。

健全な家庭は、子どもの安全基地となります。安全基地とは、生きるために必要な衣食住や、身体的な安全が提供されるだけでなく、社会に出るための基本的な教えやガイダンスが与えられるところです。親や兄弟とのつながりを育みつつも、一人一人の人格が尊重されて、成長を見守られ安心できる場所であり、いつでも戻ってこられる場所です。

私たちが、自己実現を果たすためには、社会に出て独り立ちすることが求められます。そのためにも、辛い時や不安な時にいつでも戻ってこれる安心安全な場所の確保は不可欠です。

不健全な家庭(機能不全家族)

不健全な家族は、機能不全家族ともいいますが、簡単に言うと家庭が安全基地ではなく、本人が感じていることが尊重されず、社会で生きていくための基本的なガイダンスがない状態は、不健全な状態です。このような状態の家庭を機能不全家族とよんだりします。

機能不全家族の代表的な例は、虐待やネグレクトです。これは、親が子供に対して身体的精神的暴力を振るったり、生存に必要な衣食住が確保できていなかったりするときに起こります。しかし、このような比較的大きな問題だけではなく、機能不全とは、ちょっとしたことで誰にでも起きる身近なことです。

たとえば、「毒親」と呼ばれる親のように、親が子どもの言動にいつも否定的だったり、ちょっとしたことで体罰を与えたり、過剰なしつけやルールを押し付けたりすると、子どもは家族との愛とつながりを感じることができず、自分の人格を否定し、不安と恐れを抱きながら生活するかもしれません。

また、親がアルコール依存症だったり、夫婦げんかが多かったりして精神的に不安定だと、子どもが問題は自分のせいだと思ったり、子どもが親の役割を代わりに背負ったりすることもあります。

また、親が子供に対して過剰の期待をかけたり、世間体を気にしすぎたりすると、子ども自身の自主性が奪われたり、子どもも本来の自分を受け入れてもらえずに、心に闇を抱えることになります。

健全か不健全かというのは、白か黒かはっきり分けられるようなものではなく、どの家庭も、白から黒へと向かう灰色のグラデーションの、そのスペクトラムのどこにいるかという感じだと思います。

どんな家族にも一つや二つ問題は抱えています。そういう問題を、解決しようと努力をするのか、見て見ぬふりをするのか。そこが家庭が健全になるかどうかの大きな分かれ道です。問題があることを知りながら見て見ぬふりをしたり、うすうす問題があることを感じながらも、それを解決する努力をしない親も中にはいますが、これは本当に悲しい事です。

家庭が健全でないとそのしわよせは必ず子どもへと向かいます。このような機能不全家族で育ったことにより、成人してからも生きにくさや心に傷を抱えている人のことを「アダルトチルドレン」といいます。

アダルトチルドレンのタイプ

アダルトチルドレン(AC)は、大人になっても生きづらさを感じて、健全な人間関係を育むことに難しさを感じます。結婚して子供が生まれた時に、子どものときにされていやだった親の行動と、同じことをしてしまうこともあります。孤独感や、疎外感が強く、罪悪感を持ちやすかったり、人からの評価が気になり、必要以上に自己犠牲的であることもあります。
子どもは、ある役割を担うことで、機能不全家族を支えるようになります。アメリカのセラピスト、クリッツバーグによると、アダルトチルドレンには6つのタイプがあるとのことです。

ヒーロー

苦しんでいる家族を支えて助ける役割。勉強やスポーツで頑張り、家庭でも「よい子」を演じて、家族を支えようとします。ヒーローの役割と担うと、周りからの評価が気になり、出来ない自分は認められないと感じて、頑張り続けることになります。

ピエロ(道化師)

子供時代に育った環境が常に緊張状態にあり、自分が周囲に気を使わないと、家族の誰かが不機嫌になる環境にさらされていたりしたため、おちゃらけたり、笑いを誘うような行動で、家族間のいさかいを避けようとします。ピエロは、自己評価が低く、なにかに怯えたり、不安な気持ちを隠します。自分の感情を表すことができず、限界まで「つらい」「助けて」と言えないこともあります。

プラケーター(慰め役)

問題を抱える親の、一番の理解者として共感し慰めます。優しい反面、自分のニーズよりもまわりのニーズを最優先させ、自分を犠牲にする傾向にあります。大人になってからも、自信のなさそうな人、困っている人を見ると放っておけないところが特徴です。

ケアテイカー(リトルナース・世話役)

問題のある親の代わりに親の役割を担い、家族の世話をします。親の責任の肩代わりをすることで、その問題となる親が感じるべき後悔や痛みを軽減しています。相手に対する深い思いやりがある反面、誰かに尽くさないと、自分の価値が感じられないという状況に陥りがちです。

スケープゴート(身代り役)

家族の手を煩わせ、家族から叱られ、心配される厄介者。家族の中で一番の問題児となり、一家の中のダメな部分をすべて背負います。罪もないのに悪者にされ、犠牲になり、責任を負わされるのが、スケープゴートです。家族は彼がいなくなればすべてうまくなると、向き合うべき真の問題から家族の目を反らすことで家族のバランスを保っています。

ロストワン(迷子の子)

普段からあまり目立たず、自分から意思を主張したりしないで、存在感がない状態を作り、自分が傷つくことを防いでいます。周囲からはほおっておいても大丈夫と思われています。本人は放っておかれることに慣れてしまい、却って存在に気づかれたり意識されることに苦手意識を感じるようになります。

健全な家庭での親の役割

健全な家庭における親の主な役割は、安心感を与え、子どもに共感し、成長のために必要なガイダンスを与えるのこの3つだと思っています。

  1. 安心感:安全基地を作る。衣食住の提供と身体的精神的安全性
  2. 共感:子どものあらゆる感情を受け入れ、認め、共感する。
  3. ガイダンス:社会の一員としてどうあるべきかを言葉と行動で示す。もちろん、ここにはしつけやガイダンスも入ってきます

子どもが問題行動を起こすときは、安心感、共感、ガイダンスのうちのどれかがうまく機能していないことが多い。例えば、安心感がないと、子どもはいつも母親の注目を引くような行動をしますし、共感してもらえないと、自分に対して優しくなれず、自己肯定感がさがります。しつけやガイダンスは多すぎると過干渉、過保護になるし、少ないと放任になるので、この塩梅は難しいところかもしれません。

さいごに

今回は、健全な家庭と不健全な家庭、アダルトチルドレンについてお話ししましたが、いかがだったでしょうか?

アダルトチルドレンに関する研究は進んでおり、その治療方法も確立しています。もし、ご自身がアダルトチルドレンのどれかのタイプに当てはまると思うのであれば、ぜひカウンセリングのドアをたたかれることをお勧めします。

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ABOUTこの記事をかいた人

マレーシア在住 心理カウンセラー・アロマクラフト講師。海外在住歴20年以上の経験から海外在住者ならではのお悩みや、国際結婚をした女性を対象としたカウンセリングを得意とする。子育てや夫婦関係の悩み、親子関係のトラウマなどを感情から開放するセラピーをオンラインにて提供中。