イヤイヤ期の子どもへの上手な対応の仕方

イヤイヤ期とは、2歳前後の子どもが何をするにも「イヤ~!」と自己を主張し、癇癪やぐずりが強くなってくる時期を指します。だいたい生後6ヶ月~1歳半ごろに始まり、2歳ごろにピークを迎え、 3~4歳すぎるころには、徐々に落ち着き始めるといわれています。

今回のコラムでは、なぜ二歳児が扱いにくいのか?二歳児の脳で何が起こっているのか?そしてどのように対処すればいいのかがわかります。音声で聞きたい方は、ポッドキャストの再生ボタンをクリックしてくださいね。

このポッドキャストで話していること

  • イヤイヤ期は万国共通?子どもが「イヤ!」ということの意味
  • イヤイヤ期の子どもの脳の変化。なぜ「イヤ!」というのか納得の理由
  • うちの子はわがまま?それとも、私のしつけ方が悪いの?イヤイヤで困っているママたちに覚えておいて欲しいこと
  • ママが心も体も消耗せずにイヤイヤ期を乗り切るときのマインドセット

イヤイヤ期とは?

ご飯を食べない、遊び食べをする。ベビーカーやカーシートに乗りたくない、公園でのルールが守れない。他の子をたたく、おもちゃを貸せない、おもちゃを取り上げる、買い物に行けばおもちゃやお菓子をねだって泣きわめくこともある。。。

朝「着替えない!!」という子どもを無理やり着替えさせ、大泣きしてかえって幼稚園の登園時間に間に合わずに、ママはイライラ、子どももグズグズなんてこともあるかもしれませんね。

イヤイヤ期の子どもと一緒に過ごすというのは、体力的にも精神的にもストレスですよね。このまま、協調性の無いわがままな子に育ってしまうのではないか、自分の育て方が悪いのかと不安を抱えているママもいるかもしれません。

イヤイヤ期は英語では「terrible twos」などと呼ばれ、日本語の「魔の二歳児」とほぼ同じニュアンスで使われます。つまり、この時期の子どもが扱いにくいというのは万国共通のこと。

赤ちゃんは、1歳ごろまでは何も自己主張せず、ママの言われるがまま、されるがままでした。それまでの赤ちゃんはママと一心同体だったんですね。

それが1歳を過ぎて、歩いたりおしゃべりできるようになったりと自分でできることが増え始め、だんだん、自分の外にある世界にも目覚めはじめていくんですね。それと同時に、「ママ」とは違う「自分」という存在にも気付き始めます。

そう。イヤイヤ期の子どもは自分の中にある「自我」に目覚めるんです。そしてママと自分を切り離し、全く別の存在として行動しようと一歩を踏み出し始める時期がこのイヤイヤ期です。

つまり、イヤイヤ期がきたということは子どもが順調に育っているあかしなんです。

イヤイヤ期の子どもの脳の変化

イヤイヤ期の子どもの脳にはどんな変化が起こっているのでしょうか?

まずこの時期、偏桃体がほぼ完成します。偏桃体は人間の感情や直観力、恐怖、痛みなどをつかさどります。扁桃体では自分が好きか嫌いかという単純な判断しかできません。ですから、この時期は自分の本能にしたがって行動したいという欲求が高まる時期です。

しかしながら、まだ前頭前野はまだ未発達の状態です。前頭前野は思考・記憶・行動・感情を抑制する脳。なにかをするときに、考えて判断し、次にどんな行動をするかを選択するといった高次な働きをつかさどります。行動を抑制する力や、我慢する力がないのは当然な事。

これを車に例えるならば、偏桃体がアクセルとすれば、前頭前野はブレーキのような役割です。2歳の子の脳はつまりはブレーキがない状態で、アクセルだけで進み続ける車みたいなもの。

偏桃体からくる「やりたい!」「やりたくない!」という気持ちに対して、それを制御する前頭前野がまだ未発達な状態なので、なんでも自分のやりたいことが優先だし、相手の気持ちを理解できないし、嫌なものや嫌だし、我慢なんて無理。自分の思い通りにならないと癇癪を起したりぐずったりするのです。

前頭前野の機能というのは3歳ごろからゆっくりと発達し、その頃からすこしづつ自分の気持ちもコントロールできるようになります。前頭前野の発達は10歳ごろに発達のピークを迎えるといいますから、本当にゆっくりなんですね。

つまりイヤイヤ期の行動は、単に子どもの成長の一過程なんですね。

ですから、イヤイヤで困っているママたちに覚えておいて欲しいのは、イヤイヤ期のお子さんの行動は子どもがわがままなのでもなく、ましてやママの努力が足りないのでも、ママのしつけの仕方が悪いのでもないということです。

イヤイヤ期の子どもへの上手な対応の仕方

じゃあ、どうやってこの頃の子どもに対応したらいいでしょう?

まずは子どもの「やりたい」「やりたくない」という気持ちに寄り添いしっかりうけとめてあげてくださいね。

そしてなぜそれをしてはいけないのか?ダメなのか?を説明することは大切ですが、我慢を強要したり、思いやりを教え諭したりしても、それを聞き入れられないのはあたりまえなので、「いうことを聞かない」子どもを必要以上に叱らないようにしましょう。

ママが、子どもを叱りすぎてしまう方が後々悪影響を与えます。多少、親の思い通りの子育てが出来なくても、ママ自身があまり自分を追い詰めず、子どもが元気なままこの時期をやりすごせたら、それでOKです!

床に寝っ転がって泣きさけぶ、マーカーで体や顔に落書きする、トイレットペーパーをぜんぶ引き出すなど、この頃は突拍子もないことをしますが、そういうことはもう笑いに変えてしまいましょう!写真やビデオに収めて、家族やママ友にシェアするなど、楽しむのもあり!

私の知っているママさんは、着替えない!!と強情なお子さんをパンツ姿で幼稚園つれていき、先生もイヤイヤ期最高!って喜んで笑ってくれたそうです。そしてお子さんは、寒かったみたいで、幼稚園に着いたら普通に服を着てくれたそうです。

イヤイヤ期は自分の欲求や情動に、子ども自身振り回されている時期です。その子供の言うことなすことに、イチイチ振り回されていてはママも身体がもちません。子どもの要求にイチイチ反応するのではなく、適当にゆるーく、そして臨機応変に、かわしたり、見守ったりしてあげてくださいね。

イヤイヤ期は一時期だけで、これから我慢する力が育っていきます。大変なのは今だけ。とにかく命に係わるような危険なこと以外は、片目をつぶってあとはママと子どもが幸せに毎日を過ごせることにフォーカスして乗り切ってくださいね!

幼稚園の先生を味方につけよう!

イヤイヤ期の子どもの行動はママ泣かせではあるけれど、先輩ママ達に言わせると、そんな時期もあっという間に過ぎていくもの。でも、今イヤイヤ期真っ最中で本当に大変な思いをしているのなら、思い切って周りの大人にも手助けしてもらうと少し楽になるかも!

つわものママ達は、幼稚園の先生方とうまーく連携とっています。先生たちは保育のプロ。イヤイヤ期の子どもの対応はもちろん熟知してくれています。

昨日、着替えない!!とパンツ姿で幼稚園いきました(爆)幼稚園について、寒かったみたいで、普通に服を着てくれました。先生はイヤイヤ期最高!って喜んで笑ってくれました!

着替えない!と言い張る息子、パジャマ登園してついてから大好きな園長先生のお部屋で着替えてご機嫌でした。その後も登園できない理由がおめめ見えなくなったから!とか色々言うのですが、園長先生がそれは大変だ!ずっとついててあげる!階段も見えないとあぶないから!と抱き上げてくれて満足げにニヤリ。

園でみんなで遊びましょ♪がはじめは嫌だった息子、険しい顔してると笑うまで園長が変顔してくれてたそうで。本当にお世話になりました。

そんな大変なイヤイヤ期も、のど元過ぎればよい思い出。すっかり忘れてた!なんてママも。

息子がまだ2~3歳だったころ、地下鉄の新型車両にしか乗りたがらなかった時期があります。ちなみに路面電車は旧型車両のみ。それ以外の車両に無理やり乗せるとギャン泣きで、朝の通勤ラッシュ時にはまぁかなり他の乗客に迷惑をかけました。周りの方皆暖かいというか同情の眼差しで(笑)もう埒が明かない時は、何度も保育園に遅刻の連絡をしました。懐かしいわぁ~

イヤイヤ期、あんなに大変だったのに記憶がなくなってます(汗)急にイヤイヤ言いながら泣き出したりするから全く分からず「え?何が嫌かな?全くわからんから教えて」とか言って、辛抱に抱っこしていた記憶がうっすら(笑)泣き止んだ後に会話を進めてました〜。

まとめ

親に反抗するようになることは、これまでされるがままだった赤ちゃんから卒業して一人の人間として自立しているという証です。イヤイヤ期は子どもの自立心や自己肯定感がぐーんと成長する時期。確かに親にとっては都合の悪い事ばかりが起きているかもしれませんが、子どもの成長という観点から見たら全然悪い事ではないんです。

ですから、「いうことを聞かない!」とイライラして叱りつけるのではなく、温かく寄り添って見守りたいですね。そしてこの時期は大変だけど、きっと良い思い出になります。イヤイヤと泣いているお子さんを写真に撮って「結婚式の時に、この写真を暴露しちゃおう!」くらいの気持ちで、気を楽にして楽しんで。ママと子どもが幸せに毎日を過ごせることにフォーカスして乗り切ってくださいね!

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ABOUTこの記事をかいた人

マレーシア在住 心理カウンセラー・ヒプノセラピスト。海外在住歴20年以上の経験から海外在住者ならではのお悩みや、国際結婚をした女性を対象としたカウンセリングを得意とする。子育てや人間関係の悩みから過去のトラウマや恐怖症の克服など様々なお悩みに幅広く対応。カウンセリングと催眠療法・タッピングなどを組み合わせた独自の心理療法で、ポジティブな変化を促すとともに、自分に自信がもてるようになることを目指している。