ウツウツした気分を吹き飛ばす自宅でできるセルフリトリート

半日リトリート

朝起きてもやる気が出ない。鬱々としてなんだか気分が落ち込み気味な事ってだれにでもあります。でも、そんな気持ちをずっと抱え続けているのは、精神的にも身体的にも辛いものです。

統計では、女性がうつ病になる確率は男性の2倍、そして約10〜15%の女性が産後うつを発症するといわれています。

気分が落ち込む原因はいろいろとあると思いますが、女性だと自分のバイオリズムが影響することも大きいかもしれません。一日の気分のアップダウンに加え、季節の影響、そしてもっと大きな周期で来る精神的な好調と不調の波。特に生理の前後にはホルモンの分泌量が変化し、それが気分にも影響します。

家事や子育てばかり頑張ってしまって、自分のことを大切にケアしてあげていないと、感情のコントロールがきかなくなったり、鬱々としてしまうこともあります。

今回は、ちょっと気分があがらない。なんだかやる気が起きない。そんなときに、お薬の力を借りずに自然と気分があがってくる自宅でできる半日リトリートをお伝えします。

不調のサイン

気分が下がって不調だなと感じるときはどんなサインが出ているでしょうか?まずは、普段から自分の身体と向き合って、自分の好不調のサインをキャッチしましょう。

例えば、やる気がなくてモチベーションが上がらないといった精神的な不調のサインや、体が重かったりむくんでいたり頭痛がしたりといった身体的なサイン。もしかしたら、いつもよりネガティブ思考だったり、不安が強くなったり、涙もろくなったり、逆に何も感じ無くなったりといった感情的なサインがでることもあります。

このようなサインをキャッチしたら、無理をして頑張ったり、元気にふるまったりせずに、今は休み時なのだと自分に休むことを許可してあげましょう。ここで我慢してずるずると頑張り続けていると、回復にも時間がかかってしまいます。早めにサインをキャッチしてすぐに休む。これが鉄則です。

小さな子供を抱えていたり、ワンオペだったり、フルタイムで仕事をしたりしているときは、なかなか休めないかもしれません。しかし、一人で様々なことを抱え込んでいることが、今の辛い状況を引き起こしているのです。その状態を続けていても、良くならないどころかさらに悪化してしまうこともあります。一人で我慢せず、勇気を出して家族や周りの人に手助けをお願いしてください。

特にいちばん辛い時期には半日だけでもいいので、子供を信頼できる人に預けて何もしない時間を作りましょう。(体や心がひどく疲れているときには、誰にも邪魔されずに休息することが必要ですので、まずはしっかり寝てくださいね)

誰にも邪魔されない半日の時間を確保できたら、セルフリトリートの開始です!

脳内物質セロトニンの役割

セロトニンはしあわせホルモンと呼ばれる脳内ホルモン。交感神経と副交感神経のバランスを整え、感情や気分のコントロール、精神の安定に深く関わっています。

気持ちが下がっているときの脳のメカニズムとして、この脳内伝達物質であるセロトニンの分泌が下がっていることがあげられます。セロトニンが不足すると心のバランスを保つことが難しくなり、ストレス障害、睡眠障害、脳の機能低下などの原因になることもあります。また、不安や気分の落ち込み、無気力などといった症状があらわれます。

このセロトニンが少なくなっている状態を向上させるために、うつ病の患者さんなどにはセロトニンの脳内での吸収量を上げることができる抗うつ剤が処方されることがあります。

心のバランスとセロトニンの量というのは密接に関係していて、このセロトニンの量を増やすことで感情の浮き沈みを抑え、心のバランスをとることが可能なのです。

セロトニンを増やす半日リトリート

では、このセロトニンを増やすことを意識した、半日リトリートのメニューをご紹介しますね。時間は目安ですので、ご自分の都合に合うスケジュールを作ってくださいね。

半日リトリートのスケジュール

6:00     半日リトリート開始
6:00~6:30  朝早くに日光を浴び、20分程度の軽いウォーキング
6:30~6:45  体操やストレッチなどの軽い運動をする
6:45~7:00  運動の後横たわって、瞑想
7:00~8:00  シャワーのあと、軽い朝食
8:00~10:00  クリエイティブなアクティビティをする
10:00~12:00 時間をかけておいしいランチを食べる
12:00     半日リトリート終了

1.早朝ウォーキング

冬や日照量の少ない場所で生活している場合、太陽の光を十分に浴びることができず、セロトニンが不足しやすくなります。ですから早朝から外に出て、太陽の光を浴びることは、脳内でのセロトニンを増やすのに効果的です。

日中に太陽光を浴びてできたセロトニンは、夜には睡眠ホルモンであるメラトニンにかわります。メラトニンは自然で良質な眠気を誘い、十分な睡眠と休息は体調の回復と精神の安定につながります。

また、自然にはそれだけで人を癒すパワーがあります。木々や空を眺め、鳥のさえずりや風が頬にあたる感じを楽しみながら散歩するだけで、気分が上がってくるものです。

2.体操やストレッチで体をほぐす

ウォーキングのあとにぜひ取り入れてほしいのがストレッチやヨガ。気分が下がってストレスを感じているときは、呼吸が浅くなり肩や首や背中の筋肉がこわばっています。ストレッチして筋肉を伸ばし深呼吸することで、体をリラックスさせることが出来ます。

そうすると、イライラザワザワしていた交感神経がおさまり、副交感神経が優位になってきて気分も落ち着いてきます。軽度の心地よい運動はセロトニンも活性化させてくれます。

今では様々な体操やストレッチの動画がYoutubeにありますので、そこから自分が出来そうな運動を選ぶといいですね。私のお勧めを紹介しておきます。

3.瞑想・深呼吸

瞑想や深呼吸にはストレスホルモンとも呼ばれるコルチゾールを減少させ、セロトニンの分泌量を増やす効果があります。

体操やストレッチの後はそのまま床に横たわり、5~10分ほどリラックスしてみましょう。ほどよい疲れが心地よく、モヤモヤしていた頭がすっきりして自分の軸が真ん中に戻ってくる感覚を楽しみましょう。考えすぎずにただ心地よい感覚を楽しんで寝そべるだけで、そのまま瞑想状態に入れることもあります。

私もこちらのコラムで、悩みをやわらげ心を落ち着けるガイド瞑想を紹介しています。

人間関係の悩みを和らげる慈悲の瞑想

瞑想初心者にお勧めの動画を載せておきます。

4.朝食タイム

朝の運動の後に汗をかいていたらシャワーを浴びたり、服を着替えたりしたあとに、朝食の時間です。おにぎりやシリアルなどでいいので、軽めの朝食を準備しましょう。

普段は子供の残した食事を食べたり、味わう暇もなく流し込むだけの方もいるかもしれませんが、今日はよく噛んで、しっかり味わってみましょう。

意識して「今、この瞬間」を味わうことを「マインドフルネス」と言います。自分の意識を未来でも過去でもなく「今」に向けて、それをただ感じるというものです。

様々な研究で、マインドフルネスが心身にポジティブな影響を与えることが分かっています。しかしながら、「忙しいから」「もったいないから」という理由で、食べたくもないおいしくもないものをただ口の中に流し込んでいると、食べる喜びが失われてしまいます。これはとてももったいないこと。

体が喜ぶ感覚を味わうのはみなに与えられた生きる権利です。ぜひ、朝食をゆっくり味わいながらあなたのセンサーを「今、それを食べている自分」に向けてみてくださいね。

5.夢中になれるクリエイティブなことを行う

食事でお腹も心もいっぱいに満たされたら、つぎは自分が夢中になれるようなクリエイティブなことを2時間程度やってみましょう。

昔、はまった趣味はなんですか?

得意な手仕事などありますか?

なにかやってみたかったことはありませんか?

例えば絵を描くことが好きな方なら、ゼンタングルや大人の塗り絵をしてみるのもいいですね。もちろん白いキャンバスに自分が好きなようにペインティングするのもいいかもしれません。

手仕事が好きな方なら、アクセサリー作りやスクラップブッキング、カルトナージュ、編み物やソーイング、マクラメなどはいかがでしょう?

もちろん、お料理が好きなら、いつもは作らないような自分が食べたい凝った料理を作ったり、お菓子を作るのもいいかもしれません。

音楽が好きな方なら、楽器を演奏したり、歌を歌ったり。。。

夢中になれるクリエイティブな事をすることで、作る喜びを感じたり、クリエイティビティや作品を作り上げる満足感が伴います。そういう喜びや満足感はセロトニンを増やしてくれます。

また、クリエイティブなことに夢中になると、我を忘れて没頭している状態になります。これを「フロー状態」と呼びます。この「フロー状態」は幸福感を与えてくれます。

こちらの記事でもっとくわしくお話ししています。

カウンセラーが手仕事に没頭することをお勧めする理由

静かな誰にも邪魔されない場所で、2~3時間手仕事に没頭したあとは、程よい疲れとともに気分がすっきりしてくると思います。

また、気分もあがりモチベーションが湧いてくるでしょう。

6.自分が食べたいランチを食べる

さて、ランチは自分の食べたいものを食べましょう!

自分で作りますか?それとも気になっていたカフェに食べに行きますか?飲み物は何にしますか?

普段は子供がいるからと、なかなか口にしないものや我慢しているもの、心から食べたいと思うものを自分へのご褒美に準備しましょう♥

今日は特別なリトリートの日。一口一口意識して味わってしっかり心と体が満たされる食事をしてくださいね。

まとめ

運動、瞑想、食事、そして夢中になれるアクティビティ、このすべてがセロトニンのレベルを上げるうえでとても効果的なことです。もし全部する時間が取れないというときは、どれか一つだけでも定期的に行うことで、気分が変わってくると思います。

なんだか頭の中がもやもやして考えがまとまらなかったり、必要以上に気になって考えすぎたり、なにをしても中途半端だったりするときって、頭の中の思いにとらわれてしまいがち。そんなときに、ご紹介したようなアクティビティを積極的に行うことで、そのうつうつした気分から脱出できるようになります。

これって、いったん自分の脳にリセットボタンを押すような感覚です。気分がリセットできると、新たなアイデアなども浮かんできたりしますよね。自由に旅ができない今だからこそ、心の中だけでもリトリート気分でいられたら、すっきりした気持ちで家族にも接することが出来るかもしれません。

半日でできるママのための簡単セルフリトリート、もし最近ウツウツしてるな~と感じていたらぜひ試してみてくださいね。

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ABOUTこの記事をかいた人

マレーシア在住 心理カウンセラー・ヒプノセラピスト。海外在住歴20年以上の経験から海外在住者ならではのお悩みや、国際結婚をした女性を対象としたカウンセリングを得意とする。子育てや人間関係の悩みから過去のトラウマや恐怖症の克服など様々なお悩みに幅広く対応。カウンセリングと催眠療法・タッピングなどを組み合わせた独自の心理療法で、ポジティブな変化を促すとともに、自分に自信がもてるようになることを目指している。