人間関係の境界線バウンダリーを引くための4つのステップ

バウンダリーの引き方

先日、我が家の長男がバドミントンの個人レッスンを友達と一緒に受けたいというので、コーチに連絡してその友達と受けられるようにアレンジしました。

その晩、コーチから電話がかかってきてこう聞かれました。

「あなたのお子さんと、そのお友達は仲がいいの?」

「ええ。ずっと親友です。」

「あなたの家は、そのお友達の家から近いの?」

「まあまあ、近いですけど。」

するとコーチが、「じゃあレッスンの後、ついでにお友達を家まで送り返してくれない?その子の親が迎えにこれなくて、こちらが送り返すことになっているんだけど、私たちの後片付けが終わるまで待たせるのは気の毒で。。。」

バドミントン

あなただったら、どう答えますか?

モヤモヤの原因を考える

話の流れで、それを受ける事になって電話を切った後に、なんだか心がモヤモヤしました。 しばらくその嫌な感じが消えなかったので、モヤモヤの原因を考えてみました。

  • お友達は比較的近くに住んでいるけど、送って家に帰るだけで20分はかかる。
  • 夕飯前の一番忙しい時間の20分は貴重だし、 もちろん車で送るのでガソリン代もかかる。
  • その子の親に頼まれたのなら、お互い負担を半分に出来るよう調整も出来るけど、それを私からその子の親に切り出すのも違うような気がする。
  • その子を送り返すという約束をその子の親としたのは私ではない。

そこまで考えたら、はたと「コーチは自分の責任を私にうまく押し付けている。」ということに気がついたのです。

もちろん、長男のお友達はとっても良い子だし、我が家に遊びに来てくれたときは面倒も見るし送り返すこともする。でもそれとこれはまた別。

もし私がこれを請け負って毎週お友達を送り返すことになったとしたら、おそらくそのたびにモヤモヤして、「なんで私が毎回こんな手間がかかることしないといけないんだろう?」とコーチやお友達の親を疎ましく思ったに違いありません。

ここで。このコーチが私のバウンダリーを超えて侵入してきていた事にも気がつきました。

バウンダリーとは

バウンダリーとは、自分と他人の間に引く人間関係の境界線です。

例えば、私たちの家と隣の間には垣根や塀や門などがあって、境界線が目に見える形で存在します。 家の境界線があることで、私たちは自分の安全を確保して、ご近所さんとも良い関係を築く事が出来ます。

この中に入りたい人は、家に住む住人の許可が必要になります。もし、許可無く入ってきたり、物を敷地内に捨てたりすることは基本的にはしてはいけない事。

これと同じように自分と他人との間にも目に見えない境界線というものが存在していて、私たちは日々この境界線に守られて生活しています。それを専門用語ではバウンダリーといいます。

ただ、このバウンダリーは目に見えないものなので、うまく境界線が引けていない事もあります。とくに子どもや立場の弱い人はこの境界線があいまいな場合が多いのです。

そして、知らず知らずにこの境界線を越えてくる人がいると、モヤモヤしたり重たい気持ちになったりといった心理的な葛藤が起こります。人から圧力をかけられたり、プライバシーを侵害されたり、やりたく無い事を頼まれたりするのも、バウンダリーを侵されているといえます。

こんなことに心当たりがある方は、バウンダリーがうまく引けていない可能性があります。

  • 自分が意見を言う事はほとんど無く、周りの人に合わせてしまう。
  • 面倒なことを押し付けられてもNoといえない。
  • 頼まれた事を断ると、罪悪感がある。
  • 自分の親や義理の親にいろいろ口出しされても我慢している。
  • 自分で決められず、人の意見を優先させている。

これらはほんの一例。

バウンダリーを侵されやすい人は、人からの評価が気になったり、自分の事がど見られているかを考えて行動する傾向にあります。つまり他人軸で行動してしまいがち。

他人軸での行動するのはとても自分を疲弊させます。さらに、自分の思うような結果が得られるとは限らないので、ますます疲れていきます。いつまでたっても満たされる事はなく、自分自身に対してもっとネガティブな意見しかでてこなかったりします。

日本人は個より組織を重視する社会なので、このバウンダリーに対しての意識が低く、バウンダリーを侵している、もしくは侵されているという自覚が無かったりします。

それに対して、外国人は早くから個人主義を教え込まれていて、自分の意見をちゃんと言える文化で育てられたため、バウンダリーに対してもとても高い意識を持っている人が多い。

ですから、バウンダリーの意識の低い日本人が、バウンダリーの意識が高い外国人と合うと戸惑いをおぼえることがあるかもしれません。 たとえば「外国人は自分勝手で気が利かない」「まわりの空気を読まない。」といった冷たい印象を持つ事が多いのは、このバウンダリーの意識の違いからきている事が多いのです。

どうやったらバウンダリーをもつことができるの?

バウンダリーを引くのは、相手を拒否する事でも受け入れない事でもなく、「ここからここまでは自分の領域、そこから先はあなたの領域」ときちんと線引きするものです。

このバウンダリーがしっかりと引けるようになると、人間関係で悩む事も少なくなります。また、バウンダリーを超えて侵入してこようとする人から、自分の身を守れるようになります。

では、どうやったらこのバウンダリーが引けるようになるか、4つのステップにわけて説明しましょう。

1.自分の領域について自覚する

そのためにはまず、「自分の領域」について自覚する必要があります。自分の家がどこからどこまでかわからなければ、壁や垣根をつくることは出来ません。まずは、ここから入られたらNGという線引きをきちんとする必要があります。そのために認識して欲しい事は次の4つです。

  • 他人の問題は自分の問題ではないということ
  • 他人の責任は自分の責任ではないということ
  • 他人がやるべきことを自分が背負う必要はないということ

もしどこに線引きすればいいのかわからない場合は、人から何かたのまれたり、何かをされたときにネガティブな感情が起こらないかを確認してみてください。バウンダリーを侵されているとモヤモヤしたり、気分が重たくなったり、怒りを感じたり、悲しくなったりします。そういうネガティブな感情が湧き上がったら、相手がバウンダリーを超えてあなたの領域に入ってこようとしている可能性があります。

2.自分の感情を大切にする

そして、自分の感情を大切にすることを自分に許可しましょう。バウンダリーがちゃんと引けてないときは、「私は自分勝手ではないのか?」とか「こんな事をいったら、冷たいと思われるのではないか?」など他人からどう思われるかを考えて悩んでしまうかもしれません。

しかし、あなたのバウンダリーは、あなたが守らなかったら誰が守ってくれるのでしょうか?まずは、自分でバウンダリーを引くことを許可してあげましょう。自分の気持ちを大切にする事が先決なのです。

3.自分の意見を相手に伝える(アサーティブネス)

次にバウンダリーを引くために必要なのは、自分の意見を相手に伝える事です。

例えば、家の壁の一部がない状態を考えて見ましょう。もしかしたら、近所の人がそこに自分の車を停めてしまうかもしれません。その人に悪気はないにしても、自分の家の敷地内に車を停められるというのはいい気持ちはしません。それでも我慢しますか?それとも、その車の持ち主を見つけて「ここは我が家の敷地内なので、車は停めないで下さい。」と伝えますか?

例えば、義理の親が家に来るたびに、家の掃除をしたり片付いていない台所を片付けてしまう。本人は良かれと思ってやって居るとはわかっているけど、余計なお世話。毎回そのことで嫌な気持ちになるのであれば、ちゃんと伝えないと伝わらないですよね?

相手も自分も傷つけずに意見を伝える方法をアサーティブネスといいます。これは自分にも相手にも敬意を払いつつ、「自分の領域はここまでで、相手はそこから先に入るべきで無い」という事をはっきりと伝える方法です。アサーティブネスを身につけると、バウンダリーの問題もかなり解消するようになります。そして、バウンダリーを侵され続けないことが、自分の心の安全地帯を守る大きな第一歩になります。

4.伝えられた自分を褒め、その結果をポジティブにとらえる

アサーティブネスの初心者は、意見を伝えた後にネガティブな感情がわきあがってきたりします。そのときに唱えてほしいのは、

自分は自分。他人は他人。私は私のバウンダリーを守る。

そして、そういうときこそ、バウンダリーを守る行為によって、どんなよい事がおきるのかそのメリットにフォーカスしましょう。自分軸で行動することで、心が疲弊しなくなるというのは大きなメリットです。そして、相手にどこに境界線があるのかを示すことで、この先バウンダリーを侵されることが少なくなるというメリットもあります。

しかし、バウンダリーを侵される、侵すといったことを長年行っている人には急にバウンダリーを引くといっても難しいかもしれません。そういったときは、専門家に相談する方が解決の近道だと思います。

私のとった対応策

先ほどの、コーチとのやりとりですが、私はモヤモヤの原因がコーチがバウンダリーを超えて自分の責任を私に押し付けていることに気づいたので、すぐに「やっぱり先ほどのお友達を送り返すという話は受けかねます。」とコーチにメッセージしました。

メッセージを送ってすっきりしたかというとそうではなくて、しばらくは「何で送ってあげないの?自分勝手だね。」とか「心狭くない?」などという言葉が私の頭の中でぐるぐると自分を責め続けました。これは、私の日本人としての常識やこれまでに培ってきた習慣がそういわせているのもわかっているので、ひたすら自分の勇気を褒め自分に優しく接しました。

結局、子どもの送り迎えは親の責任。親が送り迎え出来ない事は私であれば申し込みません。長男のお友達の送り迎えというのは、そのお友達の両親とコーチの責任であり私の責任ではないのです。そう考えたら、私の中の罪悪感は随分と減っていました。

バウンダリーを理解していてもこのような状況に陥る事はあるのです。

私の断りのメッセージをみたコーチは、次の朝「わかりました。他のコーチに頼みます」というメッセージを送ってきました。 結局、私がしなくても換わりに出来る人はいるのです。自分の中でモヤモヤ考えるより、出来ませんと断ればそれなりに別の解決策があるのです。

さいごに。。。

このバウンダリーの問題はあらゆるところに存在しています。

人間関係があればその数だけバウンダリーが存在しますし、目に見えないからこそ、侵されたり侵したりしてしまうものです。しかし、自分でしっかり自分のバウンダリーを持っていれば、境界線を越えて入られたときにも対処できるようになります。

子ども時代にバウンダリーを侵されて育つと、おのずと自分のバウンダリーの意識が低かったり、侵されている事すら意識に上らないこともあります。そういうときに鍵となるのは、自分の感情。人との関係において、ネガティブな感情がわいてきたとき、自分のなかのバウンダリーの危険信号がピコピコ発動してはいないか?と考えてみてくださいね。

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ABOUTこの記事をかいた人

本業は心理カウンセラー・コーチ。自分の美容コスメはほとんど手作りしてしまうナチュラルコスメおたくでもある。オンラインカウンセリングやコーチング、セミナーなどを提供したり、海外在住20年の経験から海外在住者ならではのお悩みなどにも対応。悩みから開放され『ワタシらしい幸せのカタチ』を見つけるお手伝いをしています。(対応業務:個人相談、結婚カウンセリング、子育てカウンセリング、コーチング、セミナー、執筆、講師、取材協力など)